木戸川から花見川へ・日本一低い分水嶺
2026年3月21日


木戸川・桑納川・新川・花見川

船橋市にある我が家から100m程の所に南北方向(少し北西)の道路がある。地図を見るとこの道路の西側に降った雨は海老川に流れ、東京湾に注ぐ。一方、道路の東側に降った雨は木戸川―>桑納川―>新川―>印旛沼―>北印旛沼―>長門川―>利根川と約100㎞流れれて太平洋に直接注ぐ事を知った。
すなわち、この南北方向の道路は房総半島を間に挟む、東京湾と太平洋の分水嶺という事になる。

2026年3月、この分水嶺の源流から川沿いの道を木戸川、桑納川、新川、花見川と約20km歩いた。この時の記録は(ヤマレコ・山行記録・終活登山41)にある。その時測定した標高値は、分水嶺で25m(地理院地図では27m)、木戸川源流10m、桑納川7m、新川5mであった(測定したのは私の胸の位置、さらに水面は歩道から1~2m程下にあるので、水面の標高は測定値から2~3mマイナスした値となる)。なお、通常の印旛沼の水位の公表値は2mである。木戸川、桑納川の水は流れているのが見えたが、新川は川幅が広く深いためか静止しているように見えた。新川から太平洋までは約80kmだが水面の標高差は2~3mなので水が本当に太平洋に流れつくか定かではない。
また、100kmもの川の源流付近の標高が27mなのは、分水嶺の日本最低記録かもしれない。

先日歩いた際は新川は下流の印旛沼方向ではなく、上流に向かい花見川まで歩いた。新川と花見川は大和田排水機場を挟んで繋がってはいるが、通常は水の行き来はない。昔、新川は大和田排水機場の先の勝田台や花見川区ま続いていたが、印旛沼がたびたび洪水を起こしたので花見川と新川との間の標高30m程の分水嶺を掘り下げ、花見川を延長して新川に繋げ、間に排水機場を作り、大雨のさいには新川の水を花見川に強制的にポンプで流して、印旛沼の洪水を防ぐようにしたようだ。
通常は花見川の水は大和田排水機場から約20km流れて東京湾に、新川の水は排水機場から印旛沼方向へ約100km流れて太平洋に注ぐ。すなわち排水機場は分水嶺という事になる。ヤマレコによると排水機場周辺の標高は6~8m(私の測定地)なので大和田排水機場こそ日本一低い分水嶺であろう。

この排水機場にはぜひ行ってみたかった。それは新川と花見川の間の排水機場をなくしたら水はどちら方向に流れるのか知りたかったのである。排水機場の所で新川と花見川の水面の標高が分かれば良い訳である。排水機場の横で両方の川の水面が一度に見られる場所を探しながら歩いたが、見つけられなかった。ナビによる標高は新川側6m、花見川側8mだったが水面の見える場所ではなかったのであてにならない。最後の手段、AIに聞いてみると花見川の方が2m程水位が高いとの回答だったが、自分で確かめた訳ではない。もし新川の方が水位が高いと排水機場が無ければ新川の水は花見川から東京湾に流れる。すると印旛沼、利根川の水は東京湾に流れるのだろうか?

ここまで書いて分水嶺の定義を見直して見た。一般には「分水嶺とは、山に降った雨水が二つ以上の異なる水系に分かれて流れる境界となる山脈や山稜を指す」となっており、私の発見した分水嶺は「山脈や山稜」にはないので、その点からは分水嶺とは言えないことになる。
しかし、日本山岳会の分水嶺の定義は「雨水が異なる方向に流れる境界のことであり、水系と水系の境界を指す。(水系とは集水域に流れる川の系統をいう)至る所に分水界は存在するが、特に山岳地帯では山稜が境界になるので分水嶺という」となっている。水系と水系の境界なら山岳地帯ではなくても良いと意味で、これなら私の分水嶺も分水嶺である。私は山を愛する一人なので一般的な定義より山岳会の定義を採用したい。

なぜ日本山岳会の定義は一般とは違うのか推理してみた。「一般的な定義を用いて日本を縦断する分水嶺(中央分水嶺)を描こうとすると、「山脈や山稜」ではない地域では分水嶺がないことになり、中央分水嶺は一本の線で描けなくなる。中央分水嶺を歩きたい登山家が居るだろうから、一本の線で描けるように分水嶺の定義を少し変えよう」と考えて山岳会独自の定義を作ったのだろう。

3月21日10時過ぎ自宅出発、左折して京成松戸線に沿った道路を歩く。地図によるとこの道路は分水嶺である。
 
10:15 分水嶺の道路・平らで直線状・標高27m(地理院)  道路の西側・ゴルフ場跡・遠くの建物辺りから低くい

 
道路の東側・京成電鉄の向こう辺りから低くなっている   10:20 踏切の向こうから低くなっている

 
10:25 踏切を下った所に調整池がある。水なし。    調整池から川はなし・左側は牧場・右側は住宅地

 
10:30 県道・旧高根台第一小学校・駐車場に挟まれた所が木戸川源流。ここからしばらくは暗渠になっている
 
 
10:40 道路と暗渠が共存              10:45 このコンクリート部分が暗渠?

 
10:50 木戸川源流・ここから水面が見える川に・標高20m(以下私の測定値)   11:10川幅が大分広がる
 高根台3丁目2号緑地の横にある
 
11:15 ここから川の両岸に土の遊歩道・標高15m     水は以外にきれい。付近は下水道完備?

 
11:20 左側から支流の大穴川が流れこむ    11:30 鎌田橋・木戸川の両岸は菜の花が満開(標高13m)

 
11:50 県道57号は下をくぐる         県道を越えると住宅地ではなくなる。畑と山林だけ

 
12:05 右から桑納川が合流・以後木戸川ではなく桑納川     12:10 5分桑納川を遡り桑納川右岸に渡る
 合流点左側に鴨が2羽居る
 
12:15 合流点のすぐ下流・白波を立てて流れる急流 12:30 桑納川は手入れがされていない・家は農家?
 以前・以後これより急流はなかった
 
12:55 県道61号が近ずく(標高7m)            13:00 県道、土曜日のためか通行量は多い

 
13:05 県道を渡ると静かな田舎道(標高6m)     13:25 川幅が広がり水量も増える(標高5m)

 
13:30 太公望がのんびりしている   13:35 桑納川もいよいよ終わり、橋(富士見橋)の下に見えるのは新川
     
  
13:35 富士見橋より新川下流(印旛沼)方面      富士見橋より新川上流(花見川)方面
 新川の堤防の標高測定値は5~6mだったが測定場所から水面までは2~4mあった
 
13:35 富士見橋より桑納川                14:05 新川に架かる城橋

 
14:45 八千代市村上の市街地が近ずく        14:55 新川の最上流部大和田排水機場

 
14:55 大和田排水機場の横・日本一低い分水嶺  15:00 花見川側の分水嶺
 標高の測定値は6~8m(真横では測らなかった)
 
15:00 国道296号大和橋から花見川下流・鉄橋は京成電鉄   15:05 しばらく川沿いに道はなく迂回する

 
15:10 京成電鉄の下流から堤防上の遊歩道へ    ここは土の遊歩道・橋は水道橋

 
15:25 花見川の左側から支流の勝田川が流れ込む  勝田川橋から下流側・下は勝田川・右から上部へは花見川
 勝田川に架かる勝田川橋・赤い車が通るのは国道16号

この千葉県四街道市を源とする勝田川には悲しい物語がある。  昔、花見川と新川が大和田排水機場で結ばれる以前、自然の状態では勝田川は新川の上流だった。その時勝田川の水は新川、印旛沼、利根川と長い時間をかけて太平洋に流れていた。しかし、大和田排水機場が出来た時、勝田川は花見川と結ばれ、花見川の上流になった。今では勝田川の水は花見川を経て、あっという間に東京湾に流れるようになってしまったとさ。

 
15:25 遠くに弁天橋が見えてくる            15:30 弁天橋・ここから先の川沿いの遊歩道は今年
                           1月~8月通行止めの看板が。知らなかった
 
15:30 弁天橋から花見川下流側           弁天橋から花見川上流側

川沿いの道をあと4kmほど歩く予定だったが、弁天橋から先の遊歩道の通行止め、15時半になった事、疲れたことを理由にここから京成大和田駅まで15分程歩いて電車で帰宅した。
歩行時間約6時間、歩行距離約20km、高低差ほとんど無し

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